つくることと成り立たせること
05:30 13 9月
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5年くらい前の講演資料を見ていると、今とはずいぶん違う話をしています。
主として、どんな思いで野菜を育てているのか、有機農業の定義とは何か、といった、つくる部分に関する話題に多くの時間が割かれています。
最近は、農園をどう運営していくのか、小さい農業者はこれからどう生き残っていくのか、の話が多くなっています。
映画監督の宮崎駿が若手に語った言葉に次のようなものがあります。
「映画の企画を思いついた時、それが成立するためには次の3つの視点から考えることが必要だ。1それはおもしろいか 2それはやる意義のあることか 3 それは金になるか」
この例で言うと、5年前までの自分は有機農業の面白さやその意義について考え、伝えようとしていたのだと思います。その頃の考えをまとめたのが『キレイゴトぬきの農業論』で、1,2については一旦ケリを付けたという思いがおそらく自分の中にあるのでしょう。
最近、経営について語ることが多いのは、「農業が面白くて、やる意義があることなんか最初から分かってる。問題はそれをどう成り立たせるか。みんなそこが出来ていないんだから、その一点に絞って考えたい」という思いがあるからです。
その時々の思考にどっぷりハマってしまう自分にとっては、こういう資料は己の記録としても面白いです。
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