筑波山と霞ヶ浦に挟まれた、茨城県南部の土浦市(旧新治村)で、1999年より有機農業を営んでいます。
この地では、四季を通じて野菜を露地(屋外)で栽培することが出来ます。
夏には夏の暑さ,冬には冬の寒さが大切です。だから私たちは,旬を外れた野菜は一切つくりません。
季節の風に鍛えられる,力強い野菜を年間100種類以上栽培し、お客様に直接お届けしています。
「おいしい野菜で,喜んでもらう」
これが私達のシンプルな目標です。
人参を抜いた瞬間に湧き上がる甘い香りと土の匂い
霜に当たった真冬のほうれん草の深い旨み
20年つくりつづけても,採れたての旬の野菜には深い感動を覚えます。
この感動をほとんどの人が味わったことがない事実に愕然とするのです。
手の込んだ技術に頼らずとも、当たり前の時期に当たり前に育つ野菜を採りたてで食べれば、とても美味しいものです。農園のメンバーとその家族は,一年中農園から採れる野菜だけを食べて暮らしています。
食べたものが,人の体と心をつくります。私達が理想とするのは、口先だけのおいしさではなく、食べた人の体になり心になる、滋味のある野菜。
派手なご馳走よりも、日々の食卓をしっかり支える、飽きの来ない味。
「お、この小松菜、味が濃いね」 私たちのつくる野菜でそんな会話が弾んだら、とても嬉しく思います。
夏の昼食時、うどんが茹で上がってから畑に葉ネギを採りに走ります。根っこごと抜くと、ふわっと立ち上がる香りが食欲をそそります。両手に余るほど持ち帰ったネギを根っこまで粗く刻んでうどんの上にドサッとぶっかけて喰らうのは至福の時です。
人参の葉を持って5~6本をまとめて引き抜くと、すぽっと音がしそうな手応えと共に、人参の強く甘い香りと土の匂いが混じり合って鼻をつき、胸がぞわっとします。土が付いたままかじると、ちょっと遅れて甘さが口の中に広がります。私にとって人参は、土と渾然一体となった香味野菜です。
食べる人にとっては可食部だけが野菜ですが、栽培者にとっては植物全体が野菜。私たち農業者が当たり前のように味わっている、畑で生きている野菜を存分に喰らう豊かさを、少しでも皆様にお届けできたら、と考えています。
2024.1.1
株式会社 久松農園 代表 久松 達央
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