【農業を教えるということ ①「解説」は必要なのか?】
06:28 02 10月
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レタスの発芽に3日もかかるようになったことに秋を感じる朝です。
セルトレイに蒔いたタネは、重ねて湿度を保って発芽を待ちます。芽が動き出したら広げて陽に当てないとすぐ徒長するので、忘れないようにアラームをかけて育苗ハウスを見に行くわけですが、8月中旬播きだと1.5日で動いていた芽が、10月初播きは3日かかります。
タネ蒔きの工程を一つ取っても、育苗資材の種類、培土の性質、土の入れ方、水やりの程度、播種穴の開け方、速く播く方法、播種後の扱いなど様々な要素があります。多くの農家にとって完全に血肉化しているルーチン仕事でも、初めての人にはそのひとつひとつの意味とやり方を説明しないと出来るようにはなりません。語ろうと思えば、それこそ播く時間の何倍も語ることがあります。
基本的には、失敗してもいいから何でも体験してもらう、という贅沢な時間の使い方をしたいと思っているのですが、二年いても数回しかできない作業をただやらせているだけでいいのか、を常に考えます。もう少し俯瞰の解説から入った方がいいのか、上手な人の作業を見せるのがいいのか。
結局は、自分なりの仮説を立てて、後日再現してみて、できなかったら考えて修正していく、ということを本人が繰り返して身につけていくしかありません。そう思えば、分かっていようがいまいが、とにかくやらせて放っておけばいいのだ、という結論になるわけで。すなわち、その人を信じるしかない。
まぁ、悩んでから聞きに来ればいいんだけどね。
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