「センス」とは「ひな形化」なのかもしれない④
06:09 03 3月
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知識には二通りの形があります。経験によって獲得した知識と、言葉によって獲得した知識です。一般に暗黙知と形式知と呼ばれています。
たとえば水泳。練習さえすれば子供でも泳げるようになるのに、水泳の理論書を何十冊読んでも泳げるようにはなりません。上手に泳ぐのに必要な筋肉の使い方や呼吸法のように言葉で深めることができる部分もありますが、そもそも言葉に置き換えることが出来ない知識もあります。これらは見て、感じて、自分でやってみて覚えていくしかありません。
「泳ぎのセンスがいい人」というのは、「手本を見て練習すれば短時間で泳ぎを習得出来る人」と定義できそうな気がします。「見て盗むのは下手だが、テキストで理論を学び、長時間の練習を経て努力で泳法を獲得する人」も世にたくさんいますが、センスがいいとは言ってもらえなさそうです。
経験で獲得した知識(暗黙知)の中には言葉に置き換えられる部分(形式知化)と、置き換えられない部分がありますが、暗黙知を暗黙知のままで素早く獲得し、体で再現できる能力が「センス」に直結しているように僕は感じています。
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