久松農園オフィシャルサイト | 鳥取県の新規就農育成事業の勉強会に参加しました
久松農園(HISAMATSU FARM)筑波山と霞ヶ浦に挟まれた、茨城県南部の土浦市(旧新治村)で、1999年より有機農業を営んでいます。寒すぎず、暑すぎないこの地では、四季を通じて野菜を露地(屋外)で栽培することが出来ます。私たちは、季節の中で育まれる、年間50種類以上の野菜を、お客様に直接お届けしています。代表:久松達央
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鳥取県の新規就農育成事業の勉強会に参加しました

鳥取県の新規就農育成事業の勉強会に参加しました

06:29 08 9月 in Blog
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9/4-5と、鳥取県農業農村担い手育成機構が主催する普及員の研修会に講師として参加しました。

孤立しがちな普及員達を励まし、悩みを共有しようという思いで昨年から始められた、いわば「普及員の夏合宿」です。鳥取県は、就農準備中だった僕自身が17年前に体験プログラムでお世話になった地。当時から県が就農支援にとても熱心だったのが強く印象に残っています。7月の初めに講師の依頼を頂き、これは恩返しができるチャンスだと二つ返事で引き受けました。

鳥取県の新規就農支援はびっくりするくらい充実しています。農業大学校や農家での体験プログラム、説明会が年に数回用意されているのはもちろん、本格的に就農を希望する人は、機構が採用し、給料をもらいながら最大2年間農家で研修を受けることができます。詳しくはこちら。この「アグリスタート研修事業」は2009年から始まり、これまで7期100名の研修生を受け入れています。現在までに80名が就農したそうです。制度自体も充実していますが、数多くの普及員、関係機関、そして農家がそれを手厚くサポートしていて、ソフト面できちんと運用されているのがすごいです。新規就農者のフォローには時間と労力と情熱が必要なので、いろいろあってもとにかくやるんだ、という本気がひしひし伝わります。腰が据わっているのです。

写真は上場重俊理事長の開会挨拶

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一日目は県、市町村、農家関係機関、JAなど総勢80名が参加し、各地区からの現状報告と問題点の共有、基調講演、など。現場報告がリアルで面白かったです。細かい内容については、異常に充実したレポートが作成されるはずなので、興味がある方は機構に問い合わせてみて下さい。外部には非公開ですが、がんばれば見せてもらえるかもしれません。

僕からは、ないないづくしの新規就農者は自分の強みを生かした「小さくて強い農業」を志向するのがいいのではないか、という話をしました。
夜の懇親会は大いに盛り上がっていました。本音もいろいろ聞けて、個人的にも参考になりました。農業大学校の職員で、以前に茨城の研修でお会いしたことがある方もいて、嬉しい再会となりました。

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2日目は「新規就農者とどう関わるか」について個別テーマの分科会。
1組織、チームとしての関わり
2困った研修生や新規就農者への対応
3地域との関係性

僕は2に参加しました。現場ならではの苦悩や喜びに満ちた話がたくさん出て、大変興味深いものでした。「困った研修生」の話は、就農希望者に接する僕にも生々しい例ばかりで、実に興味深いものでした。同時に、僕たちは民間と公共機関の違いを改めて感じました。民間はミッションがすっきりしていて楽だな、と。
僕からお話ししたのは、
右から左まで、上から下まで拾うのは無理なので、鳥取県が得意とするパターンに絞った方がいいのではないか
・一定の「歩留まり」を想定するなら、うまくいかない人の退出スキームを用意すべきではないか
・うまくいかないことに職員が悩むのは、仕組みそのものに疑問を感じているからではないか
ということです。

全体のまとめで印象に残ったのは、鳥取大学農学部の松村一善先生の言葉。「担い手」というのは便利に使われるが、時代によって文脈が変わってきている。元々は、農業の近代化の中で、高い生産性を実現していく、それまでの「農家」とは違う新しいプレイヤーという意味で使われた言葉だそうです。現在の「担い手」は、多くの農家が戦線を離脱する中、残って撤退戦を戦う者、という印象があるので、真逆ですね。

個別のテーマの掘り下げは、僕もこれからじっくりやります。今回一番感じたのは、こういう支援制度を充実させていけばいくほど、就農時の僕にとっては響かないものになる、ということです。ある参加者の方から「破れている障子がそのままになっているような新規就農者はやはりダメだ」という意見が出ました。今の僕は、心からその通りだと思うのですが、就農時はそんなことは本当にどうでもいいと思っていました。
制度をよりよいものにしていくお手伝いは今後もしていきたいと思っているのですが、それが形として完成度の高いものになればなるほど、若いときの自分はそれにハマらない。そういう矛盾を抱えながら自分は生きていくのだろうな、と感じました。

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