好きなことを究めるのが研究
08:30 07 11月
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先週まで2週間、農研機構の研究員二人が住み込みで研修に来ていました。二人ともピカピカのエリートです。
国の農業研究者はもっと農家の役に立つ研究をしろ、とのミッションを受けて、今年から新人を農家の現場に研修に出すことになったそうです。わざわざ同行してくれた所長さんに、「そんなにキツイ仕事はさせませんから」と言っておきながら、台風で倒れたネギを戻すという大仕事からスタートする過酷な2週間でした。
同年代のスタッフと昼夜共にして、すっかり仲良くなっていました。最後はSpot and Tableも経験してもらって、お腹も頭もいっぱいで職場に帰っていきました。
研究者は現場を知らない、という指摘は常にあります。確かに中央の研究者と現場の接点は少ないので、実際にどんな人たちがどんな思いで現場にいるのかを知ることはいいことだと思います。
ただ、「農家の役に立つ」が研究の直接の目的であるべきかどうかには、僕は疑問があります。最終的な出口を農業周りに設定して研究をしてもらう体は大事ですが、目先役に立つことだけを追っていたらいい研究など出来るはずがないからです。
「農家の皆さんのために」と神妙に答えて予算をぶんどってくるしたたかさは持って欲しいですが、心からそう思うようなつまらん研究者にはなって欲しくない、と本人達にも伝えました。
農学は”science of agriculture”。農業の科学的な研究です。辞書で「研究」を調べると、「物事を学問的に深く考え、調べ、明らかにすること。また単に、調べること。」とありました。
単に、調べてくれ。
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