なぜ公開するのか?
なんで何でもタダで公開しちゃうのか?とよく聞かれます。
実はあんまり深くは考えてないんですが(笑)、端から見ると不思議なのかもしれません。
久松農園はキーコンセプトの一つに「公開」を掲げています。
私たちは悩みながら、失敗しながらも、楽しく充実した日々を送っています。差し障りのない限り、それはガラス張りでやりたいのです。いろいろな事をオープンにやっているからこそ、たくさんの方が私たちに共感し、応援して下さっているのだと思います。応援して下さる方がたくさんいらっしゃれば、それだけ私たちの活動のステージの幅と奥行きが広がり、もっと面白い事が出来ます。
情報を隠す事で生まれる優位性なんて本当にちっぽけな物です。もっと言えば情報そのものには価値はない。そこに自分という文脈が加わってはじめて価値が生まれる。だからただ丸パクリではなく、一度自分のカラダを通して人に渡す。それが大事なんだと思います。
人間は機械ではありません。誰もが情報を入れたり出したりを繰り返しながら常に変化しています。今の私はただの状態に過ぎない。外に対して素直に、オープンに生きていきたいと思います。そういう風に思えず、殻に閉じこもっていろんなことが上手くいかなかった時への反省もあります。
もう言葉にしてしまったものはこれからもどんどん出していきます。すると自ずとまだ捕まえられていない物が見えてきます。私は、まだ形になっていないモヤモヤしているものに挑戦する時が最もクリエイティブで興奮します。
これからも恥ずかしい間違いをたくさんします。それは避けられません。公開している事によって誰かに迷惑をかけてしまうかもしれません。そんな時は「テヘペロ」で許してもらおうと思います(笑)。あらかじめ謝っておきます。すみません。
私たちは技術的にも経営的にもまだまだ未熟ですが、自信を持って仕事に取り組んでいます。私の好きな作家の言葉を最後にご紹介します。
「ほんとうに優れた職人は、決して自分の道具や技を隠さなかった。この職人の腕の中には、技が無尽蔵に蓄えられているのかと、呆れるほど豊かな技を持っている人がいる。でも、本当は無尽蔵なのではなかった。自分のありったけを、平気で人に伝える人だった。自分のありったけを人に伝えてはじめて、次に自分がなにを獲得しなければならないかを気づく人たちであった。そして新しい技を獲得した。だから無尽蔵に見えた。」
『ものづくりに生きる』小関智弘
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