野菜の採り時 ズッキーニ編
07:00 18 9月
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日本でもだいぶポピュラーになってきたズッキーニ。イタリアンのイメージが強いですが、実は和洋選ばない使いやすい野菜です。
ズッキーニと言えばラタトゥイユ(カポナータ)という方が多いですが、新鮮なズッキーニは油との相性が抜群。一番美味しいのは天ぷらです。この甘みと食感は他の野菜では再現できません。素揚げでマリネや揚げ浸しにしても美味。3−4本はぺろっと食べてしまいます。
さて、ズッキーニも生長が早く、採り時で味や食感が変わります。写真で見てみましょう。
若い順に左から並んでいますが、一番小さいのから一番大きいのまで1〜1.5日しか経っていません。つまり一番左の状態で収穫しないと翌日は一番右の大きさになってしまうという事です。
一番小さい物。市場規格はこのくらいです。スーパーなどで見かける物はこのくらいの大きさが多いと思います。断面も固く締まっていて、タネは極小さいです。
加熱しても形はしっかり残りますが、甘みの乗りがまだ甘いように思います。この大きさで採っちゃうのはちょっともったいない感じです。使い方次第ですが、縦に切ってしっかり形を残したい方はこの位の大きさを好まれます。これを指定されるのはフレンチの料理人の方に多いように思います。
中くらいの物。結論から言ってこの大きさが味と食感のバランスが一番いいと思います。断面を見るとタネは胡麻くらいの大きさ。
味もかなり乗ってきますし、火を通しすぎなければ煮崩れもしません。
大きいもの。直売所などで見かける事がありますが、久松農園ではこれは基本的に出荷しません。確かに甘みは一番あるのですが、加熱すると崩れてグジュっとなります。カレーなんかに入れると溶けてしまいます。
断面を見てもタネがスイカのタネくらいになっていて、周りのワタも発達しています。中心がスカスカになってきている感じです。周りの皮もツヤを失いつつあります。
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ちなみに黄色は断面がこんな感じ。皮から内側の実にも少し黄色が入っていて奇麗です。
この表面に見えているしずくは実から染み出る水分。新鮮なので斬るとすぐにじわっと出てきます。糖度が高いのでベタベタしています。ソテーするとフライパンの上での滑り方が粘っこいので、お料理好きの方はすぐに糖度の高さを実感して頂けるはずです。糖度は色には関係ありません。
寿命が短い野菜にとって一日の重みはヒトより随分大きい訳ですが、特に成長の早い夏野菜は採り時でこんなにも違う表情を見せます。私たちは毎日野菜に触れ、生でかじり、家で料理することで彼らを味わい尽くしています。
料理本の情報では表現しきれない野菜の深みのような物をお客様に提供できればと思っています。
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