苗を鍛える
09:53 17 1月
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3月末から4月に採るレタスを植えています。
レタスは、加温した温室で育てた苗を畑に植え替えます。植物は環境の急激な変化に弱いため、温かいところでぬくぬく育った苗を急に厳しい寒さや風に晒すと、たちまち枯れてしまいます。
そこで、いきなり植えることはせず、少しずつ寒さや風に当てて苗を鍛え、がっちりさせてから植え替えます。これを馴化(順化)と呼んでいます。
最初は日中暖かい時間帯に外に出し、夜は中に取り込んで不織布をかけてあげます。様子を見ながら徐々に長時間日や風に晒し、水やりを控え、時には手で触ってストレスをかけてあげると、はじめはペラペラで折れやすかった葉がガッチリしてきます。
そうなればこっちのもの。植え替えても、少々の凍結ではびくともしません。やわいまま植えると、保温資材をかけてあげたり温度変化を調製したり「手のかかる子」に育ってしまいますが、最初に鍛えておくと後で手がかからないのです。
苗を締める、という表現をする生産者もいますが、どの程度の刺激を与えたらいいかは、見て触って確かめながら身につけていくしかありません。これは「何日間何度に晒す」のような固定的な言葉にすべきではなく、やはり体で覚えるべきことでしょう。
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