大切な人から祝福されたいなら、挑戦などやめておけ
13:28 29 7月
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「新しく農業をやってみたいんだけど、家族に反対されて」
という相談を受けることがある。そういう人には絶対に自営は勧めない。
「反対」する家族や友人たちは、あなたのことを本当に大切に想っているのだろう。あなたの挑戦よりも、今のあなたを、だ。
他の人がやらない新しいことにチャレンジすることと、周りの人から祝福を受ける、というのは基本的に両立しない。今のあなたを大切に想っているということは、あなたに変わって欲しくないということだ。だから変化に対して難色を示す。あなたがその反対を受け入れることは、あなた自身が結果的に見えない未来よりも今を優先する、ということに等しい。それは未知への挑戦とは相容れない。
逆から言えば、周りの人が祝福するような案は、新規性に乏しいということだ。親や教師や友人がこぞって賛成するような意見の中に、常識を覆すような新しいアイデアがあるわけがない。相談する人する人に賛成されたら、むしろ軌道修正すべきだろう。
映画監督の宮崎駿は「趣味があるようなやつはダメ」言い切っている。人生の全てが作品に吸い取られてしまっているような人でないと、真に優れたアニメーターにはなれない、と。誰もやっていない新しいことに挑戦するということは、こういう変人と戦い続けるということだ。あなたに特別なチャレンジ精神がなくても、まぐれで勝つことはあるだろう。しかし、参入とは、長いリーグ戦へのエントリーだ。周りとの軋轢を顧みず前へ前へ進むタイプの人間と、親に祝福されたい人間との繰り返しゲームでどちらが生き残るかは自明だ。
周りの大切な人と幸せに暮らしたい人、すなわち、世のほとんどの人は、変人を盾にして自分の好きなことと周りの祝福の両立を目指したらいい。危険な挑戦などくれぐれもしないことだ。
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