久松農園オフィシャルサイト | 長野研修レポート 大貫
久松農園(HISAMATSU FARM)筑波山と霞ヶ浦に挟まれた、茨城県南部の土浦市(旧新治村)で、1999年より有機農業を営んでいます。寒すぎず、暑すぎないこの地では、四季を通じて野菜を露地(屋外)で栽培することが出来ます。私たちは、季節の中で育まれる、年間50種類以上の野菜を、お客様に直接お届けしています。代表:久松達央
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長野研修レポート 大貫

長野研修レポート 大貫

18:42 31 8月 in Blog
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8月15日〜17日の3日間長野県の佐久、佐久穂へ研修旅行に行って参りました。

僕自身この時期の長野は去年に続き2回目。昨年は地域差の違いに驚かされてばっかりでしたが今回はまた、違った視点や考え方で回る事が出来た勉強になる3日間でした。
今回は全部で4件の農家さんのところにお邪魔して勉強させていただきました!

8月15日
1件目は北佐久の御代田町にある農業組合法人VEGE ARTSさんへ。
代表の山本さんご自身にいろいろと案内していただきました。

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VEGE ARTSのある北佐久は標高700m〜1300mの夏でも涼しく、高原野菜の栽培がとても盛んな地域。
雄大に広がる浅間山をバックにずら〜っと広がる高原野菜の景色がすごくステキでした!
経営スタイルは久松農園とは全く違い、作付け面積は20ha、スタッフも山本さんご夫妻と正社員7名、アルバイト8名、パートさん4名という構成でレタス、キャベツ、白菜、ほうれん草など品目をしぼった高原野菜をメインに栽培されています。

到着後さっそく事務所の近くにあるレタスの圃場を見せていただきました。

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作付けも同じ畝で2回転。1回目の収穫が終わってすぐに2回目の定植。
冬は寒さや雪で何も出来なくなってしまうのでマルチを張るのも年1回という事に驚き。
限られた期間で効率よくいい品質で出荷するための考えやそのための設備、人材の使い方が関東の農業とは明らかに違い、興味深く勉強させていただきました。

大規模な量でも鮮度のいい状態での出荷を可能にするための設備も整っていました。

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真空予鈴装置

収穫し、箱詰めされた野菜をそのままフォークリフトで中へ。30分で4℃まで予冷をかけることができ、その後はその野菜を大型の冷蔵庫へ移動し冷蔵保存。

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巨大なブームスプレイヤー

実際にブームの部分をのばしてもらい迫力を体感。土浦ではお目にかかれない大きさでかっこ良すぎました笑
長野の大産地ではどこの農家も持っている機械で、これで一気に消毒作業や除草作業をやる事で作業の大幅な効率化が出来ています。
僕たちのような少量多品目の有機農家には遠い存在でしたが、こういう作業機を見ると、改めて自分たちがやってる作業を考えるきっかけにもなります。何のために、どれくらい手をかけてるか、どうやって効率よくやるかといい刺激になります。

畑や出荷場を見学した後は事務所でFarmめぐるの吉田さんも加わり山本さんのお話を伺いました。
人材の事、今後のVEGE ARTSの事などいろいろお話を伺いましたが、山本さんのスタッフに対する気持ちや責任を強く感じました。どうやったらスタッフのみんなが気持ち良く仕事ができて尚かつ作業の効率も良く結果を出すためにどうしたらいいのか、という事を考えて作業マニュアルやクラウドシステムの導入などを実践されています。

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まだ作成中というマニュアルを見させていただきましたが、すごく細かく写真付きで誰が見てもそれにそって作業をすればキレイに出来るような、素晴らしいものでした。僕もちょっと主旨は違いますが久松農園の作業マニュアルを作っているのでとても参考になります。見せ方や写真の使い方はもちろん、作業マニュアルが農園全体から見てどんな役割を果たすのかという事。マニュアルを通じて作業効率化や人材の育成、技術の蓄積やその言語化など、ただマニュアルを作って教えるという事じゃなくて、農園自体のレベルアップのための事業の一つだということを考えて作成、実施する事が大切だと改めて感じました。

山本さんは今後もVEGE ARTSを大きくしていきたいと仰っており、しっかり先の事が見えている感じが素晴らしいなと思いました。ただ、イメージだけで言っているのではなく、実際にお父様がやられていた経営規模を隣で見ていたので、どこまで大きくすればどれくらいの売り上げになる。そして自分たちはどこにいるのか、という事が分かっているので地に足を付いた構想が出来ている感じがしました。スタッフについては独立希望の方というより一緒にVEGE ARTSを大きくしていける仲間を探したいとの事。僕は鼻っから独立希望の人間ですが、農場長伏見の様な「仕事としての農業」がしたい人の需要は今後もいろんなところで増えていくように思います。

VEGE ARTSさんの見学は、規模やスタイルが違うと設備や道具、オペレーションなども全然違いうという事。事業を考える上でスタッフの事や全体像を考える事が大切だという事を学ばせていただきました。

2件目は同行していた吉田さんのFarmめぐるへ。

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まずはじめに見せてもらったのが作業場。
元々酒蔵だった建物を使っているため、すごく広い。しかも、キレイに整理整頓されていて何がどこにあるか分かりやすく、作業もしやすい環境が整っていました。久松農園のモノ置き場ももっと効率的に動けるよう工夫する参考になります。

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次に畑を案内していただき、ズッキーニ、インゲンを見せていただきました。
キレイに管理されたズッキーニたち。1日に2000本採るというこのズッキーニの奇麗さ、元気さに圧倒されました。

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畑を見ていて僕が気になった事は、太陽熱マルチ人参用の通路幅。久松農園では収穫がしやすいように70cmは開けるところ40cmくらいしか開いていない。

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これでは収穫しずらいのでは?と思ったところ、人参の収穫は端から一斉に行うのでじゃまにならないとの事。むしろ通路はいらないくらいと仰っていました。
確かに収穫や出荷のスタイルが違う事は作付けの仕方や管理の仕方も変わってくるので、いま久松農園でやっているやり方はウチにあったやり方であって、必ずしもそれが正解じゃない。僕自身、農作業はほとんど久松農園でしかやった事がないので、こういった違うスタイル、考え方の畑を見れる事は非常に良かったと思います。独立後のスタイルが決めきれていない僕にとって考え方の幅が広がるいい経験になりました。
そして、1日目の夜は長野、千葉、茨城の農家で集まり勉強会。からの懇親会

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栽培や出荷の事、人材についてなど、それぞれの考え方や今後どうして行くのかなどレベルの高い議論が繰り広げられました。
懇親会では主にのらくら農場の新入社員3名と話をさせていただきました。目がキラキラ輝いており、久松農園の栽培について質問攻めに笑。お互いの農場でどんな栽培をしているのか、気候の違いで作付けの仕方がどんな違いが出ているのか、独立の事など、農業者として経験値が少ないもの同士で考えを情報共有できたのがすごく面白かったです。
僕は普段、去年とはまた違った感覚で畑作業をしているのですが、なんかうまく行かなかったり、無駄に不安になったりしてもやもやっとしていることがあるのですが、この3人と話してちょっとスッキリした感じがしました。実直に農業と向きあい、頑張っている同世代の方を見ると、僕ももっとガツガツ仕事をしてどんどん吸収しなければならないと強く思いました。

8月16日
研修3件目はのらくら農場の萩原さんのところへ

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昨年伺ったとき、虫の少なさや作物のなり方の違いに初めて驚きを感じた農場。
山の上の方にある農場は涼しい気候で同じ時期の土浦とは作物の採れる時期が違うこと、成長のペースが違う事を改めて感じました。
この時期でもトマトやズッキーニがのびのびと成長している様子でした。

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萩原さんの管理技術は去年も聞かせていただいたのですが、僕自身1年畑をやってみて改めて聞いてみると、どのタイミングで何の肥料を入れるのか、潅水のタイミングなど、ものすごく細かい管理をされているのがよくわかりました。

萩原さんは10年以上の蓄積があるとはいえ毎年同じよういかないのが農業。作物をよく見ていなければならないし、判断する知識もなくてはなりません。毎日のように収穫、出荷がある中で多品目の野菜を細かく管理していく事はかなりの労働量だと思います。

ましてや畑も点在し急斜面の畑を上り下りしながらの作業だと涼しいとはいえ かなり条件の厳しいところで農業をされているんだと感じました。

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それでも畑の説明をする萩原さんの目はキラキラしていて新入社員の3人と同じような無邪気な笑顔でした。去年もそうでしたが、僕も萩原さんのようにもっと熱く農業に向き合っていきたいと思いました。 

最後に伺ったのはあさひや農園 関谷さんの所です。

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畑は見学できませんでしたが、みんなでクリーンシーダーの注意点や防虫ネットトンネルの張り方を共有しました。

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みんなで除草。これはかなり贅沢な人の使い方ですね笑

久松農園のやり方でトンネルを作ったのですが他の人とはやり方が微妙に違ったり、みんなで意見を交換しながらできたのは良かった。それぞれの農業スタイルがあってやり方も個人差があります。全く同じではなくていいと思うけど、なぜそういうやり方をするのかをお互いが理解できる事が重要なんだと思います。
個人的には関谷さんや萩原さんの畑では虫も少ないし、品種と植え付けのタイミングが合って順調に生育がすすめば防虫ネットなくても逃げ切れるんじゃないかと思いました。
トンネルが完成したところで雨が降ってきてしまい、その後は関谷さんお手製の作業場で歓談。

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僕と同じく来年独立予定の飯島さんとも今後どういう風に動いていくのか、機械類や畑の確保、販売スタイルはどうするのかなどお互いの今後の課題や現状を話せていい刺激になりました。僕も負けてられません。せっかく同じ時期に独立する予定なのだから飯島さんとも一緒に協力して何か企画できたらいいなと思います。

まとめ

今回4件の農家さんを見学させていただいて、去年よりも栽培に関して注意深く見れた2日間でした。地域差による農業スタイルの違い、品目の選択や栽培方法、なぜそれを選択しているのか。冬が動けなくなってしまう分、夏の失敗出来ない栽培でどれだけ売り上げるか、工夫のロジカルな部分など。去年の僕では感じる事が出来てなかった所だと思います。

今回千葉の皆さんも参加して熱いハイレベルなトークが繰り広げられて、正直付いていくのがやっとでした。話している内容は理解できるけれども疑問や意見がすぐ出てこなかったのはまだまだ自分のレベルが低い証拠。もっと栽培から経営までいろんな事を勉強しなければと痛感しました。

今回お忙しい中、時間を作って見学をさせていただいた山本さん、吉田さん、萩原さん、関谷さん、本当にありがとうございました!
そして去年に続き今年も長野研修を企画してくださった久松さん、ありがとうございました。

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