タキイ種苗の見学会にて思う
種苗メーカーはオープンデーと称した見学会をこの時期に開催する事が多く、今週はラッシュです。先週から来週にかけて、全員で4社回ります。
今日はタキイ種苗の見学会に行ってきました。
大根の新品種はなかなか良さそうですが、晩抽性は思ったほどではありませんでした。
こちらは短めの大根。と言っても手頃なサイズでよさげ。
夏場のじっくり生育タイプの小松菜は来年トライすることに決定。
印西の夢農楽 柴海さんにお会いしました。
試食の豚汁はおいしいけど、野菜はあんなに小さく切ったら味分からないよん。
メーカーの担当者と直接話が出来るのはなかなか面白く、育種の狙いや考え方など勉強になります。
資材メーカーなども出展しているので、業界全体の”空気”のようなものを感じ取れるのもこういう場ならではです。農業が生産者だけで出来ると思ったら大間違い。種苗会社、資材メーカー、販売店、それらのパートナーなくして私たちの仕事は成り立ちません。どんな人たちがどういう気持ちで農業に取り組んでいるのかに関心を抱かずにいられません。今年のタキイは来場者も少なく、いささか寂しい感じでした。
もう一点。
品種の流行についてです。食の世界同様、野菜の品種にもトレンドがあります。たとえば葉物はここ数年「濃緑タイプ」と呼ばれる緑の強い(見ようによってはドス黒い)品種が主流になりつつあります。ほんの5−6年前までは普通に見えた淡い色の小松菜やホウレンソウが、それら濃緑タイプの中では黄色っぽく見えてしまい、隅に追いやられています。しかし、味という点では、メーカーの担当者に聞いても濃緑タイプはワンランク劣ります。全体がある方向に流れる時、それに抗うのは並大抵のことではありません。商売である以上流れに乗るのはある程度仕方のないことですが、それがどの程度意味のあるトレンドなのか、を冷静に見る目がないと大きなものを失います。小売店の担当者もしたり顔で「〇〇なんて古い古い。今は濃緑だよ!」などと言いますが、流行の意味するところをどの程度理解しているのかは疑問です。
飲食プロデューサーの子安大輔さんは、飲食の世界での流行を「さざ波と海流」に分けて考えるべきだとおっしゃっています。合理的とは思えない波に全体が流されている時に、そこに乗らないしっかりしたモノサシを自分の中に持っていたいと思います。
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