時間は未来から過去に向かって流れている
『小さくて強い農業をつくる』にも出てくる、時間は未来から過去に向かって流れている、ということについて書いてみる。
・過去を規定しているのは未来の出来事
「7日前にニンジンのタネを蒔いたが、雨が降らなかったので発芽しなかった。」という現象があったとする。タネは無駄になり、蒔き直さなければならない。「あの日に蒔いたのは失敗だ」と嘆く。一方、もしタネを蒔いた翌日に雨が降り、しっかり芽が出たとする。すると、「あの日に蒔いておいて正解だった!」と喜ぶ。すなわち、種蒔きという行為が正しかったか正しくなかったかを決めるのは、未来に降る雨である。未来が過去を規定しているのだ。
・原因が未来で、結果が過去
私たちは、過去の出来事が原因で未来が決まる、と思いがちだ。「あの時にああ言ったから、彼女にフラれた」「英語の勉強をしなかったから、出世しなかった」そう思って、過去を悔やむ。
しかし上の例を見れば、「タネを蒔いたから、雨が降らず、失敗に終わった」とは誰も思わない。「雨が降らなかったから、タネ蒔きが失敗だった」という因果関係しか考えられない。つまり、原因が未来で、結果が過去なのである。
・過去は変えられないが、未来は変えられる
前項でフラれた彼氏くんが、その後ずっと寂しい生活を送れば、「あの時のあの一言で俺の人生が。。」と悔やみ続ける。一方で、新しい彼女ができた途端に、「あの時前の彼女と別れられたおかげで、素敵な人に出会うことが出来た」という解釈になる。
- 過去が未来を決める
- 未来が過去を決める
どちらが真実なのかは僕にもよく分からない。しかしハッキリしていることがある。過去は変えられないが、未来は変えられる。
終わりよければ、すべてよし。という言葉があるが、過去にやったこと、今起きていることの意味は、未来で決まる。こう思うと、少し気が楽にならないだろうか。
時間は未来から過去に向かって流れているのだ。
ボブディランの言葉を借りると、こういう言い方になる。
Don’t think twice, it’s all right.
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