「恵まれない農家さんを助けたい」。農業に関心を持つ学生やビジネスパーソンにとって、農家は手を差し伸べる対象として捉えられています。農家の側にも、哀れだと思われていた方が得という人がいて、あえて訛りを強調するような小芝居が入ることすらあるので、注意が必要です。
一方、産業化が進む現代の農業は、古い「貧農像」とはかけ離れています。その抱える問題も深く構造的で、浅薄な「善行」で助けられるようなものではないのです。
本書では、第一線の農業者である著者が、農業にまつわる古い「常識」を一刀両断。忖度なしの具体的でロジカルな提言で、読者の認識をアップデートし、農業の本当の知的興奮へといざないます。
はじめに
第1章 農家はもっと減っていい
第2章 淘汰の時代の小さくて強い農業
第3章 小さくても売れる 淘汰の時代の弱者の戦略
第4章 難しいから面白い ものづくりとしての有機農業
第5章 自立と自走 豊かな人を育てる職業としての農業
第6章 新規就農者はなぜ失敗するのか
第7章 「オーガニック」というボタンの掛け違い
第8章 自立した個人の緩やかなネットワーク
座組み力で生き抜く縮小時代の仕事論
第9章 自分を「栽培」できない農業者たち
仕事を長く続けるための体づくり心づくり
おわりに
「有機農法なら安全で美味しい」「農家は清貧な弱者である」「農業にはガッツが必要だ」―日本の農業に関する議論は、誤解に基づいた神話に満ちている。
脱サラで就農した著者は、年間五十品目の有機野菜を栽培。
セオリーを超えた独自のゲリラ戦略で全国にファンを獲得している。キレイゴトもタブーも一切無し。
新参者が畑で徹底的に考え抜いたからこそ書けた、目からウロコの知的農業論。
目次
はじめに──「キレイゴト」から離れて
第1章 有機農業三つの神話
第2章 野菜がまずくなっている?
第3章 虫や雑草とどう向き合うか
第4章 小規模農家のゲリラ戦
第5章 センスもガッツもなくていい
第6章 ホーシャノーがやってきた
第7章 「新参者」の農業論
好きなことをつらぬき、自分の頭と手で考え、時代を切り開く!自由に生きるための農業入門!
エコに目覚めて一流企業を飛び出した「センスもガッツもない農家」が、悪戦苦闘のすえにつかんだ「小さくて強い農業」。
自由に生きていくために必要なのは、経営のロジックとITのノウハウと、何があっても理想をあきらめない心。
あたらしい有機農業の旗手として、いま全国から注目を集める「久松農園」代表の著者が贈る、21世紀型農家の生き方指南。
目次
第一章 一流企業サラリーマン、華麗に道を踏みはずす
第二章 新人農家「農家に向いていない」ことを思い知る
第三章 言葉で耕し、言葉で蒔く。チームで動く久松農園の毎日
第四章 「向いていない農家」は、日々こんなことを考えている
第五章 向いていない農家、生き残るためにITを使う
第六章 カネに縛られない農業を楽しむための経営論
第七章 強くて楽しい「小」を目指して